大宇宙の宝と一体になる

 米イェール大学などの研究グループが、40光年先にある「かに座55e」という惑星が、ダイヤモンドと黒鉛で覆われていることを明らかにした。この惑星は直径が地球の2倍、質量は8倍ある大きな惑星だが、ダイヤモンドは惑星の質量の3分の1以上を占めるという。地球3個分の重さのダイヤモンドが見つかったのだ。
 しかし、どれだけ多くのダイヤモンドを手に入れても、盗まれないか、火事や地震で失わないかという不安は、なくならないだろう。いや、持てば持つほど、不安も大きくなるのではないだろうか。
 親鸞聖人が教えられた絶対の幸福は、大宇宙の宝と一体になった幸せだから、盗まれる心配も、焼ける心配も、落とす心配もない。まさに大安心の世界である。
 それを高森顕徹監修『なぜ生きる』2部8章には、こう書かれている。

  五濁悪世の衆生
  選択本願信ずれば
  不可称不可説不可思議の
  功徳は親鸞の身にみてり  (『高僧和讃』)

「無明の闇が破られて、筆舌つくせぬよろこびが、悪に染まった親鸞に、常にからだ一杯あふれている」
 親鸞は、弥陀の誓願に救い摂られたことがうれしい。絶対の幸福に合掌せずにおれない。今日の一日が尊い。今の一息はもっとありがたい。吸う息吐く息が不思議だ。よろこばぬ心が見えるほど感激だ。
 焼けもせず、流されも、盗まれもしない、いつも満ちている無上の幸せを、
「不可称・不可説・不可思議の 功徳は親鸞の、身にみてり」
と、誇り高く詠いあげられている。

 全ての人が求めてやまない、絶対の幸福を明示された方が、親鸞聖人なのである。