2008-01-01から1年間の記事一覧

自分ならどうするか

1972年10月、ウルグアイの学生ラグビーチームを乗せた小型飛行機が、凍結したアンデス山頂に墜落した。水も食料も防寒服も無い最悪の状況下で、72日後、16人が生還して、「アンデスの奇跡」として世界中に知られるようになった。 友人の肉を食べて生き伸びた…

お金以上に大事な時間の節約

不景気でお金の節約を考えている人は多いが、子飼弾氏は、お金より時間を節約しないと、本当のコスト削減にはならないと言う。 気をつけなければならないのは、モノを安く買うために時間をたくさん使うと経費削減にならないということです。それに気づいてい…

子ども漫画は問う

子どもに人気の「アンパンマン」の原形が生まれて四十年、テレビアニメ化されて二十年となった。 原作者「やなせたかし」氏によると、アンパンマンが自分の顔をちぎって食べさせることは、正義を貫くときには自分も痛みを伴うことを表現している。 やなせ氏…

3億円手に入れたら

7月から放映されているドラマ「ロト6で3億2千万円当てた男」は実話に基づいており、実際に38歳で年収320万円だった独身男性が、ロト6で3億2千万円を手に入れたという。 ロト6購入、3年目の当選で、最初の買い物は380万円のロレックス。 1000万円以上の高額…

「生きる目的」を明確に知ってこそ

日本で徒労を「賽の河原」というが、これに相当するのが、ギリシア神話の「シーシュポスの岩」だ。 神々の怒りに触れたシーシュポスは、冥土で巨大な岩を山頂まで運び上げる刑罰を科せられている。なんとか岩を運び終えると、岩は自然に転がり落ちてしまうの…

本当に「助けた」とは

平成17年4月に兵庫県でおきた、乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故で負傷した25歳の男性が、事故から3年半たって、自殺していたことが10月2日に分かった。日記には「死にたい」などと書かれていたという。 どんなに苦しくても生きるのはな…

先を知る知恵をもって安心したい

アメリカでは、霊能者が一流企業で荒稼ぎをしている。経営学とも最新技術も無縁の、ある49歳の女性は、「直観」を語るだけで年に数十万の報酬を得ているという。 まだ数は少ないものの、企業のアドバイザーを務める霊能者が増えていて、名のある企業で法律…

ドーピングの進化と名誉欲

ハンマー投げの室伏選手は、2004年アテネ五輪のとき、繰り上がりで金メダルを獲得したが、2008年の北京では5位に終わった。ところが、今回も銀メダルのワディム・デフヤトフスキーと銅メダルのイワン・ティホンがドーピングで失格になっている。 北京五輪は…

「おそかった」と後悔したハイデガー

中外日報の昭和38年8月6日号1面に、ハイデガーの晩年の日記が紹介されている。 今日、英訳を通じてはじめて東洋の聖者親鸞の歎異鈔を読んだ。弥陀の五劫思惟の願を案ずるにひとえに親鸞一人がためなりけり=とは、何んと透徹した態度だろう。もし十年前…

英雄一転、罵倒の嵐

北京オリンピック男子110メートル障害で、中国の劉翔選手(25)が、アキレスけんの痛みを理由に棄権した。アテネ五輪では金メダルを取り、13億人の希望を背負った英雄だった。 けがだから仕方ないと同情する意見もある一方、ネットには非難の書き込みが集中…

金メダルなんていらない

オリンピックでは何人ものヒーローが生まれ、世界のかっさいを浴びる。だが当人の喜びは、いつまで続くのだろうか。 水泳界のスーパースターだったイアン・ソープが、2006年11月に突然引退を表明して周囲を驚かせた。ソープ選手オリンピックに二回出場…

「いっそ小さく死ねばいい」?

8月27日に発売される、シンガーソングライター森山直太朗の新曲「生きてることが辛いなら」に、「いっそ小さく死ねばいい」という歌詞があり、賛否両論が巻き起こっている。 冒頭の「生きてることが辛いなら いっそ小さく死ねばいい 恋人と親は悲しむが 3…

怒りで一生を棒にふる

7月22日夜、東京・八王子の京王八王子駅ビル9階の書店で、アルバイト店員の女性が刃物で刺され、死亡した。逮捕された33歳の容疑者は「仕事関係で悩み、事件直近に親に相談したが最後まで聞いてくれなかった。大きな事件を起こせば自分の名前がマスコ…

今日ほめて 明日悪くいう 人の口

サッカー界の「貴公子」とよばれ、日本では「ベッカム様」の愛称をもつデービッド・ベッカム選手にも、苦難の日々があった。 98年のイングランド対アルゼンチン戦が、その始まりだった。試合中、ベッカムはアルゼンチンのシメオネ選手に、背後から突き倒さ…

女性に広がるゲーム依存症

アメリカでは、仕事に飽きたビジネスマンや、不眠症に悩む母親の間で、インターネットで無料で楽しめるゲームがブームになっているという。このようなゲームが「カジュアルゲーム」と言われるのに対し、任天堂Wiiなどの専用機を使う本格的なゲームは「ハ…

秋葉原無差別殺人の真相

6月8日に秋葉原の歩行者天国で、25歳の青年が17人を無差別に殺傷した事件は、マスコミに連日取り上げられ、海外にも報道された。 容疑者は携帯電話によるネット掲示板への書き込みを、2月から5000回も行っていたことから、「仮想の世界に生きてい…

アインシュタインの宗教観

アインシュタインの私信で、そのキリスト教観が明らかになり、話題になった。ドイツ語で書かれたその手紙は、1954年1月3日のもの。哲学者エリック・グートキンド氏への返信で、「わたしにとって『神』という言葉は人間の弱さの産物という以上の何物も…

浄土真宗本願寺派が1万か寺に自殺調査

硫化水素自殺など、自殺問題が深刻化する中、浄土真宗本願寺派が、同派の全寺院(約1万カ寺、僧侶約3万人)を対象に、自殺に関する実態調査を始めた。 まず自殺者の葬儀や自殺相談、遺族支援をした経験などを調べ、今後は自殺者の葬儀で特別な法話をしたり…

「悪人正機」の「悪人」とは?

昨日の続き。 例えば、親鸞思想の革新性とされる「悪人正機説」は、先行し法然が唱えたことは知られてきた。その法然より前に、旧仏教が「どんな悪人も念仏を唱えれば極楽往生できる」と説き、民衆に信じられていたことが、平安期の貴族の日記や歌謡集「梁塵…

親鸞の教えを語る一次資料「教行信証」

朝日新聞の記事である。 親鸞よもう一度 750回忌法要前に思想を再検討 (http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200803250108.html) 浄土真宗の宗祖・親鸞(1173〜1262)の750回忌の主な法要が、2011年から12年にかけて営まれ…

「摂取不捨の利益」 歎異抄はここにおさまる

高森顕徹氏による歎異抄解説が出る前に、「なぜ生きる」での歎異抄解説について、改めて触れておきたい。歎異抄の18章は、第1章におさまる。 1章はまた、冒頭の「弥陀の誓願不思議に助けられまいらせて」の一言におさまる。 それはつまり「誓願不思議の…

高森顕徹氏による歎異抄解説本

高森顕徹氏による歎異抄解説本が発売されるというアナウンスがあった。 大いに期待したい。歎異抄は、あくまで「傍流の書」である。 歎異抄に記されていることを、そのまま自分の字力によって解釈したものが「浄土真宗の教え」であると思うのは、大変な間違…

真仮を峻別するもの

仏教8宗派が「東京ボーズコレクション」−−築地本願寺・松原さんに聞く 「はっきりものごとを分ける考え方が浸透してきたからだと思うんです。私とあなた、生と死、善と悪、真と偽、勝ちと負け。米国は『世界の警察官』を自任して、自分たちこそ正義でイスラ…

教行信証に角筆 そこに潜む深い教え

「教行信証」自筆本に未知の書き入れ 浄土真宗の開祖、親鸞(1173〜1262年)の主著「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」の自筆本である「坂東本(ばんどうぼん)」(国宝)の修復に伴う調査で、つめ跡のように紙面をへこませて文字や印を記す筆記…