教行信証に角筆 そこに潜む深い教え

「教行信証」自筆本に未知の書き入れ

 浄土真宗の開祖、親鸞(1173〜1262年)の主著「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」の自筆本である「坂東本(ばんどうぼん)」(国宝)の修復に伴う調査で、つめ跡のように紙面をへこませて文字や印を記す筆記具、角筆(かくひつ)による書き入れが見つかった。漢字の振り仮名や段落の印など約700カ所に及び、すべて親鸞が解釈などを示すために書き入れたとみられる。

親鸞聖人の、我々がまだ見ぬ自筆が見つかったとのこと。
新たな教学研究が生まれる瞬間かと思う。

聖人の、その筆の奥に潜む深い教えを理解することは、果てしない努力を必要とするのかもしれない。

真仮を知らざるによりて、如来広大の恩徳を迷失す  (『教行信証』)

高森顕徹 監修の「なぜ生きる」は、正に教行信証のこの言葉によって始まり、この言葉によって締めくくられていると言ってもいい。
「人生の目的」と「生きがい、目標」とを峻別され、人生の目的を鮮明にされたのが親鸞聖人であると氏は言明する。

教行信証を、現代に分かりやすく伝える、選び抜いた表現であろうと拝察する。