2014-01-01から1年間の記事一覧

ライオンを狩るエゴイズム

アフリカのライオンは、減少の一方をたどり、「絶滅危惧種」に近づきつつある。その一方で、アフリカを訪れる観光客は数千ドルを払えば、人工的に飼育されたライオンを、狩ることができる。ライオンは、生活の場を奪われ、絶滅の危機に瀕する一方で、人間の…

戦争の元は心

アメリカ海軍は、新たなレーザー兵器LaWSを開発し、戦艦に搭載した。LaWSは、瞬時に目標を破壊するだけでなく、一発当たりのコストが、わずか0.59ドルという特徴がある。 このような安価なレーザー兵器が、世界に広がるのは時間の問題だろう。 …

わが行は精進にして、忍びてついに悔いじ

映画俳優だった、故・高倉健の座右の銘は、「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」だったという。もとは『大無量寿経』の、「たとい身を、もろもろの苦毒の中におわるとも、わが行は精進にして、忍びてついに悔いじ」から来た言葉らしい。 この『大無…

行方不明になる自己

2004年に飛び立った欧州の探査機「ロゼッタ」が、目標としていたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着した。地表に投下した着陸機フィラエの着陸にも成功し、世界初の、彗星着陸となった。 彗星の調査によって、地球の水や生命の起源を探るという。 科学技…

墜落する飛行機の乗客

7月にウクライナで、マレーシア航空17便が撃墜された。乗客乗員298人が全員、死亡している。この事故で193人の犠牲者を出したオランダの外相が、遺体の一つが酸素マスクを付けていたと、テレビ番組の中で漏らした。 それまで、犠牲者は全員、何が起き…

死に至る病

西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱は、四千人を超える犠牲者を出している。 エボラウイルスの拡散を食い止めるために、世界各国から数百億円の支援が寄せられている。 だが、たとえエボラウイルスに感染したとしても、必ず死ぬのではない。致死率は50…

火宅無常の世界

9月27日、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が噴火し、多くの登山客が犠牲になった。 日本は110の活火山がひしめくことから、「火山列島」ともいわれ、二十四時間体制で観測しなければならない火山が47ある。その47の「常時観測火山」には、世界遺産…

感染症は止められるか

西アフリカでエボラ出血熱の流行が始まってから半年が経過し、WHOの予想では、今年中にリベリア、シエラレオネ、ギニアで最大二万人が感染し、史上最悪の大量感染になるといわれている。 日本でも70年ぶりにデング熱の感染が再発し、世界の注目を集めて…

災害対策で忘れられているもの

近年は、地震や津波、集中豪雨などの天災が続き、災害の対策が真剣に考えられている。 広島市を襲ったような土砂災害は、いつ、どこで起きても、おかしくないという。事実、大雨によって土砂崩れが起きる場所は、全国で52万箇所に上る。 だが、たとえ土砂…

人生を苦に染める元凶

兵庫県で、医療センター行きの直通バスのナンバープレートが、物議を醸している。一部の車両番号が、「死に」と読める、「42」で始まっているからだ。病院へ向かうバスなのに、「死に」に行くとは「縁起が悪い」「不吉だ」と、苦情が上がっているという。 …

危険ドラッグに走る原因

危険ドラッグの吸引による、交通死亡事故が続いている。2011年からの3年半に、危険ドラッグが原因で死亡したとみられる人は、少なくとも40人に上り、今年に入ってからだけでも26人いるという。 山梨県では16歳の少年と、高校1年の女子生徒(15…

なぜ人命は尊いのか

7月26日午後8時ごろ、長崎県佐世保市の一五歳の女子生徒が、同級生を殺害して遺体の頭部などを切断し、逮捕された。佐世保市では10年前も、小学女子が同級生に殺される事件があり、命の大切さが訴えられてきたが、その努力は無駄だったのかと、関係者…

なお行く先は山路なりけり

藤原和博著『坂の上の坂』には、一仕事を終えた50代になっても、まだまだ坂道の続く、現代の実状がつづられている。サブタイトルには、「55歳までにやっておきたい55のこと」とある。50代を迎えても、平均寿命からいえば、あと30年は人生が続きま…

なぜ殺してはいけないのか

6月12日、人工透析中の患者からチューブを抜き、殺害しようとした疑いで、東京都でクリニック所長を勤める、49歳の内科医が逮捕された。本人は容疑を認めているという。 この容疑者は、「仕事を終えていったん帰宅しようとしたが、誰かを殺そうと思い、…

テロリストかノーベル平和賞か

アパルトヘイトと戦って、1993年にノーベル平和賞を受賞した、元・南アフリカ大統領ネルソン・マンデラの自伝を映画化した『マンデラ 自由への長い道』が5月24日、日本で公開されました。 27年間も獄中生活を続けながら、自由のために戦い続けた波乱の…

根底に必要な「なぜ生きる」

シリア内戦は4年目に突入し、犠牲者は16万人とも伝えられている。救援活動の遅れる中、シリア政府と戦うために、74か国から、外国人戦士が1万1千人、集まっているという。 インターネットには、シリア参戦を英語で呼びかける動画があふれている。「俺…

マレーシア機はどこに消えた

3月8日、乗員乗客239人を乗せたマレーシア航空370便は、クアラルンプールから離陸した40分後に消息を絶った。墜落した原因も場所も、いまだ不明である。パスポートを偽造していた乗客によるテロや、操縦士の自殺などが疑われたが、それを裏づける…

捕鯨の非難と浦島太郎

4月9日、日本の南極海捕鯨に対して、国際司法裁判所(ICJ)が中止命令を出した。オーストラリアでは、喝采を持って迎えられているニュースだろう。2010年の調査では、オーストラリアの94パーセントが捕鯨に反対している。「捕鯨反対」ほど、オー…

人生の寂しさ

「友情」を買う時代が来たようだ。映画でもレストランでも、一緒に行く相手が欲しければ、つき合ってくれる友達を、ネットで探せる「友達レンタル」が、ここ数年、人気になっている。中でも「レントアフレンド」には、世界中の五十万以上の「友達」が登録さ…

本当の自殺対策

日本の自殺者は、昨年25年は2万7千283人。一日あたり74人だが、お隣の韓国も、一日あたり39人で、OECD(経済開発協力機構)加盟国の中で最多となっている。 ソウルにある麻浦大橋は、そこから川に飛び降り自殺する人が多いため、「死の橋」と…

テレビCMで「なぜ生きる」

JAバンクのテレビCM、「新生活 わからないこと・ほうれんそう」篇では先輩社員が、オフィスで、「わかんないことがあったら、何でも聞いてね」と声をかける。そこで新入社員が「人は、なぜ生きるのでしょう…」と問いかけると、その先輩社員は絶句し、や…

名利の大山

「現代のベートーベン」と称される人気作曲家に、ゴーストライターがいたことがわかった。ゴーストライターをしていた講師は、実際には当人は耳が聞こえていたと主張し、作曲家自身も謝罪している。褒められたい名誉欲、お金の欲しい利益欲が、いかに人を迷…

恐ろしい「ねたみ」

「欲しい」「欲しい」という「欲」がさまたげられると、腹が立つ。腹を立てても、どうにもならないと、「うらみ」「ねたみ」「そねみ」の愚痴の心が出てくる。他人の幸福を呪い、他人の不幸を喜ぶ、恐ろしい心である。「イライラしたから」という、理由にな…

「自分さえよければ」の利己心

北極に眠る資源をめぐって、近隣の国がしのぎを削っている。世界で未発見の資源のうち、原油の13%、天然ガスの30%が、北極の大陸棚にあるという。だが、石油やガスに目を奪われている間に、地球温暖化で北極の氷は解け続け、10年か20年もすれば、…