テレビCMで「なぜ生きる」

JAバンクのテレビCM、「新生活 わからないこと・ほうれんそう」篇では先輩社員が、オフィスで、「わかんないことがあったら、何でも聞いてね」と声をかける。そこで新入社員が「人は、なぜ生きるのでしょう…」と問いかけると、その先輩社員は絶句し、やがて「いつかわかるよ」とささやいてCMは終わる。仕事は生きる手段であり、大事なのは「人は、なぜ生きるか」の人生の目的である。新入社員も、「いつかわかる」ではなく、早く分かってもらいたい。

高森顕徹監修『なぜ生きる』1部5章には、こう書かれている。

「仕事は、人生の目的を達成する手段」と気づく人が、若者を中心に増えていると、社員研修十五年の佐藤英郎氏は言います。しかし実際は、「生きるための苦闘」は激しさを増すばかり。どう生きるかに追われ、「そんなにまでして生きるのはなぜか」を考える時間は、奪われているようです。
「人生の旅のなかば、正しい道を見失い、私は暗い森をさまよった」と書き出し、ダンテは 『神曲』 をつづっています。この世のウソに飽き飽きし、一切にむなしさを覚えるときが、どんな人にも訪れるのではないでしょうか。