戦争の元は心

 アメリカ海軍は、新たなレーザー兵器LaWSを開発し、戦艦に搭載した。LaWSは、瞬時に目標を破壊するだけでなく、一発当たりのコストが、わずか0.59ドルという特徴がある。
 このような安価なレーザー兵器が、世界に広がるのは時間の問題だろう。
 核兵器は、それを使用したときの、甚大な影響が、安易な使用を抑えている。だが手頃なレーザー兵器が出回れば、政治指導者の「心」しか、戦争をやめさせるものはなくなるだろう。

高森顕徹監修『なぜ生きる』2部13章には、こんなユネスコ憲章が引用されている。

 外にあらわれる体や口の行いよりも、見えない心が大事にされるのは、なぜだろう。体や口の行いは、心の指示によるからである。心が火の元であり、体や口の行為は火の粉にたとえることができよう。火の粉は、火の元から舞い上がるように、体や口の行為は、心の表現であるからだ。
「戦争は心の中ではじまるのだから、平和の砦は心の中につくられねばならぬ」と、ユネスコ憲章も宣言する。残虐非道の戦争も、根元は心と見ての訴えであろう。
 消火も火元に主力がおかれるように、仏教はつねに心の動きに視点がおかれる。