危険ドラッグに走る原因

 危険ドラッグの吸引による、交通死亡事故が続いている。2011年からの3年半に、危険ドラッグが原因で死亡したとみられる人は、少なくとも40人に上り、今年に入ってからだけでも26人いるという。
 山梨県では16歳の少年と、高校1年の女子生徒(15)が、危険ドラッグの所持で逮捕されている。子供への広がりを、どう止めるのか。薬物依存症治療を担う専門の医療機関は、全国に十数カ所しかないという。治療ができないから、依存症が深刻化するケースも少なくない。ドラッグの取り締まりは、困難な闘いになるだろう。
 なぜ、ドラッグに手を出さなければならないほど、生きづらいのか。ここまで掘り下げなければ、根本的な解決はできないだろう。

高森顕徹監修『なぜ生きる』1部4章には、こう書かれている。

 刹那的快感に救いを求める人が増え、「依存症」の言葉が、ちまたにあふれるようになりました。?わかっちゃいるけどやめられない?、何かにのめり込んでいなければ、じっとはしておれないのです。一日一回はパチンコせずにいられない「パチンコ依存症」や、デパート狭しと買いつづける「買い物依存症」など、何か気晴らしがなければやっていられない、生きづらさの反映といえましょう。
 薬物依存も減ってはいません。経口の覚醒剤も登場し、小学生すら手を出す始末です。中毒者の幻覚による凶悪犯罪も増え、第三次乱用期といわれるようになりました。一人になるとさびしくて、不特定多数と性的関係に走る人が増えています。それらの人にとって性交渉は、漠然とした不満を埋める手段になっているのです。

 なぜ生きるかが分からない所から来る、「漠然とした不安」と向き合わない限り、真の解決はできないだろう。