浄土真宗本願寺派が1万か寺に自殺調査

 硫化水素自殺など、自殺問題が深刻化する中、浄土真宗本願寺派が、同派の全寺院(約1万カ寺、僧侶約3万人)を対象に、自殺に関する実態調査を始めた。

 まず自殺者の葬儀や自殺相談、遺族支援をした経験などを調べ、今後は自殺者の葬儀で特別な法話をしたり配慮したこと、あるいは苦慮したことなどの具体的な体験も求めていくという。

 自殺者が年間3万人を超える中、宗教者として僧侶が取り組めることはないかを検討するのだ。

「自殺予防・防止に僧侶がかかわることができると思うか」についても聞くそうだが、人生の目的をハッキリ教えられた方が親鸞聖人なのだから、聖人のみ教えを説く立場の人こそが、最も素晴らしい貢献ができるのではないだろうか。

 高森顕徹著『なぜ生きる』には、こう書かれている。

 人はなんのために生まれ、生きているのだろうか。なぜ苦しくても自殺してはならぬのか。「人生の目的」は何か。
 親鸞聖人の答えは、ゆるぎなき確信と勇気を持って、簡潔であざやかである。
「苦しみの波の絶えない人生の海を、明るくわたす大船がある。その船に乗り、未来永遠の幸福に生きるためである」
 主著 『教行信証』 の冒頭に、つぎのように記されている。

 難思の弘誓は、難度海を度する大船、無碍の光明は、無明の闇を破する慧日なり(『教行信証』)

「弥陀の誓願は、私たちの苦悩の根元である無明の闇を破り、苦しみの波の絶えない人生の海を、明るく楽しくわたす大船である。この船に乗ることこそが人生の目的だ」
 全人類への一大宣言といえよう。
 人生の目的は「苦海をわたす大船に乗ること」とはどんなことか、本書のテーマであるが、一言でいえば、
「苦悩の根元である無明の闇が破られ、?よくぞ人間に生まれたものぞ?と生命の大歓喜を得ること」
である。聖人の著書は決して少なくないが、これ以外、訴えられていることはない、といっても過言ではなかろう。(114〜115頁)


 自殺する方法が広まったのがネットなら、自殺を止める方法もネットで広まるはずだと期待されている。自殺を考えている人に、聖人のメッセージが届くことを念じずにおれない。