秋葉原無差別殺人の真相

 6月8日に秋葉原歩行者天国で、25歳の青年が17人を無差別に殺傷した事件は、マスコミに連日取り上げられ、海外にも報道された。
 容疑者は携帯電話によるネット掲示板への書き込みを、2月から5000回も行っていたことから、「仮想の世界に生きていた」ことが原因と考え、インターネットやゲームを批判する人もいた。「格差社会」が悪いという意見もあれば、本人が掲示板に「彼女がいれば夜逃げする必要なかった」「彼女がいない、ただこの一点で人生崩壊」「一人の虚しさは異常」「友達もできない俺に彼女ができるわけない」と書き込んでいたことから、孤独が原因と指摘する人もいた。
 他に「不細工な俺は存在自体が迷惑なんだっけ」という書き込みもある。自分の存在に価値がないと思えば、他人の存在も価値があるとは思えないだろう。「『誰でもよかった』なんかわかる気がする」とも書いている。

 高森顕徹監修『なぜ生きる』には、次のように書かれている。

 自分の命の大切さを知らねば、他人の命も尊重できないでしょう。「死んでもいいじゃん」の無知が、「殺してもいいじゃん」の暴論に、すり替わってゆくのではないでしょうか。

 自分の人生に、意味や価値を感じられない人が増え、それが種々の事件や問題の起因だと、強く指摘する人もあります。


 なぜ人命は尊いのか、この問題が明らかにされない限り、インターネットや格差社会が無くなっても、無差別殺人は無くならないのではなかろうか。