女性に広がるゲーム依存症

 アメリカでは、仕事に飽きたビジネスマンや、不眠症に悩む母親の間で、インターネットで無料で楽しめるゲームがブームになっているという。このようなゲームが「カジュアルゲーム」と言われるのに対し、任天堂Wiiなどの専用機を使う本格的なゲームは「ハードコア」と呼ばれる。
 もちろんゲーム産業の主役は、後者の「ハードコア」だが、カジュアルゲームを楽しむ人は、まだまだ増加すると見込まれている。カジュアルゲームの利用者は半数以上、25歳から45歳の女性だという。ゲームにはまった女性の中には、「8時間連続でしたこともある」「ゲーム中は達成感があるけれど、やめると二日酔いになったようで、中毒になっている」という声も聞かれる。
 何かに熱中しなければやっていられない、生きづらさの反映だろうか。

 高森顕徹監修『なぜ生きる』には、次のように書かれている。

 刹那的快感に救いを求める人が増え、「依存症」の言葉が、ちまたにあふれるようになりました。?わかっちゃいるけどやめられない?、何かにのめり込んでいなければ、じっとはしておれないのです。一日一回はパチンコせずにいられない「パチンコ依存症」や、デパート狭しと買いつづける「買い物依存症」など、何か気晴らしがなければやっていられない、生きづらさの反映といえましょう。
 薬物依存も減ってはいません。経口の覚醒剤も登場し、小学生すら手を出す始末です。中毒者の幻覚による凶悪犯罪も増え、第三次乱用期といわれるようになりました。一人になるとさびしくて、不特定多数と性的関係に走る人が増えています。それらの人にとって性交渉は、漠然とした不満を埋める手段になっているのです。(1部4章より)

 現代に蔓延する「漠然とした不満」の正体は、何なのだろうか。