お金以上に大事な時間の節約

 不景気でお金の節約を考えている人は多いが、子飼弾氏は、お金より時間を節約しないと、本当のコスト削減にはならないと言う。

気をつけなければならないのは、モノを安く買うために時間をたくさん使うと経費削減にならないということです。それに気づいていない人が実に多い。モノを買うときは、自分の時給を考えましょう。
 例えば、自宅隣のコンビニで1000円のモノが、往復30分かかるところにあるスーパーでは500円で売っていたとしましょう。スーパーに行くのを半時間分の時給と考えたら、時給1000円以上の人にとってはコンビニで買う方が安くなります。(『弾言』19-20頁)

 子飼弾氏は、時間は最も貴重な資源なので、毎月20万円欲しいのに、収入が15万の人は、あと5万稼ぐために仕事を増やすのではなく、15万の生活に切り詰めることを勧めている。あと5万のために仕事をしたら、もっと大事なことを考える時間がなくなってしまい、結局、自分の貴重な時間を安売りしてしまう。だから15万の生活で我慢して、残った時間を有効に使ったほうが賢いのだと主張する。

 たしかに、お金の節約より大事なのは、貴重な時間を何に使うかだろう。

 高森顕徹監修『なぜ生きる』1部5章には、「時間」とは「命」だと書かれている。

 

私の「命」とは、私に与えられた「時間」でしょう。大ざっぱにいえば、今の日本人は「八十年」の命を、生まれたときに受け取ります。この財産を何に使うか。旅行をするためにアルバイトをした学生は、働いた時間だけ、?命をすり減らした?のです。私たちは命を切り売りして、欲しいものを手に入れるのだといえましょう。


 最も貴重な「時間」=「命」を何に使うか、これこそ最も大事な問題であろう。