自力聖道の菩提心

定水を凝らすといえども、識浪しきりに動き、心月を観ずといえども、妄雲なお覆う。しかるに、一息つがざれば、千載に長うゆく。なんぞ、浮生の交衆をむさぼって、いたずらに仮名の修学に疲れん。すべからく勢利をなげうって、ただちに出離をねがうべし

比叡山・千日回峰行で戦後12人目の「堂入り」を果たす者が現れた。

親鸞聖人も、九歳で比叡山に登られて20年、煩悩と格闘された。

上の歎徳文は、その「生々しい苦闘を記した」ものであるとしている。


定水を凝らそうとされたからこそ、識浪しきりに動く我が身が知らされた。
識浪とは、正に渦巻く煩悩であった。
それを目の当たりにした時、ただ泣かざるを得ない。