涙もいろいろ

バンクーバーオリンピックの女子フィギュアは、キム・ヨナ選手と、浅田真央選手との、熾烈な一騎打ちとなった。
表彰台に立って流す涙は同じでも、金メダルの「嬉し涙」と、あと一歩で届かなかった銀メダルの「悔し涙」とでは、「心」は正反対だ。
 涙にも、「嬉し涙」「悔し涙」「悲し涙」と、いろいろあるように、
南無阿弥陀仏」と言っているのは同じでも、どんな心で称えるかによって、親鸞聖人は念仏を三通りに分けられた。

高森顕徹監修『なぜ生きる』2部25章には、こう書かれている。

念仏者と聞くと?南無阿弥陀仏?と称えている、すべての人と思うだろうが、称え心はまちまちだ。科学的に分析すれば同じ涙でも、?うれし涙?やら?悲し涙??くやし涙?など、心はいろいろあるように、口では同じく南無阿弥陀仏と称えていても、
?念仏も善の一つ?ぐらいに思っている人もあれば、?ずば抜けた善だ?と信じて称えている人もいよう。
 だが、無碍の一道に生かされた?うれしさ?に、称えずにおれない念仏者もあるのだ

「念仏は皆、同じ」という常識を破られた方が親鸞聖人である。