一寸先は闇

 交通事故で亡くなる人の、二倍以上の人が、自宅で命を落としている。

◆交通事故の2倍以上が自宅で死亡

2008(平成20)年1年間に交通事故で死亡した人は7499人。

1995(平成7)年の時点では、1万5147人だったので、
関係者の努力とみんなの注意によってかなり減ったことになります。
では、次の数字は、何を集計した数字でしょうか?

1万3240人

この数字は、1年間に家庭内で不慮の事故によって死亡した人の数です。
厚生労働省が発表した「不慮の事故死亡統計(平成21年度)」によると、
2008年に家庭における不慮の事故の死亡者は1万3240人もいるのです。

最も慣れていて安全なはずの自宅で死亡している人のほうが、
交通事故で亡くなっている人よりもはるかに多いということになります。


◆どんな事故で亡くなっている?

では、事故の種類別見ると、家庭内ではどんな事故で死亡している人が
多いのでしょうか? 以下のような調査結果が出ています。

(1)溺死     4079人
(2)窒息     3995人
(3)転倒・転落  2560人
(4)火災     1238人

家庭内では、火災で亡くなる人よりも、溺死や窒息、転倒・転落など、
普段の生活の中にありそうな小さなきっかけが死亡事故につながっている
ことがわかります。


※わが家は危険? 交通事故死より多い自宅での事故死
[家づくりのプロが提案「イエコト」]All About
http://allabout.co.jp/r_house/gc/185191/


「死」は十年も二十年も、先にあるのではない。常に、身近に迫っているのだ。

高森顕徹監修『なぜ生きる』2部19章には、こう書かれている。


死んだ後の後生と聞くと、三十年も五十年も先のことのように思いがちだが、そうだろうか。今晩死ねば今晩から後生である。いや一時間後、一分後かもしれない。
 阪神大震災のときなどは、机で勉強していた姿勢のままで亡くなっていた受験生もいた。今日も全国各地で多くの人が、交通事故などで命を落としている。死ぬなんて、ユメにも思っていなかった人たちばかりであろう。私たちは、いつ後生へ突っ込んでゆくかもしれないのだ。
「出息入息 不待命終」
?出る息は入る息を待たず、命終わる?と釈尊は説かれている。
 吐いた息が吸えないときから後生がはじまる。吸う息吐く息が、死とふれあっていることが知らされる。たとえば十二月三十一日、午後十一時五十九分五十九秒では、一秒後に三十一日が一日に、十二月が一月に、今年が来年に変わるように、今生が後生に変わるのも一瞬である。されば「後生」といっても、吸う息吐く息の「現在」におさまるのだ。