生きる力の源

 スタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガルの講義を書籍化した『スタンフォードの自分を変える教室』は、世界的ベストセラーになっている。

 意志の力を強めるための戦略が、いくつも紹介されている。

 その一つとして、「なぜ」を考えることが勧められている。「なぜ頑張っているのか」を思い出せば、「がんばったから、少しくらい休んでもいい」という誘惑に打ち勝つことができるという。

「なぜ」という理由を思い出すのが効果的なのは、それによって自分を甘やかすような報酬についての感じ方が変わってくるからです。(中略)がんばったんだから少しくらいごほうびをもらっていよね、と思っている自分に気がついたら、ちょっと立ちどまって「なぜ」自分はがんばっているのかという理由を思い出してみましょう。(『スタンフォードの自分を変える教室』143頁)

 これは人生全体にも言えるだろう。「なぜ生きる」が明確になれば、すべての行動が意味を持ち、苦難を乗り越える力が湧くと、高森顕徹監修『なぜ生きる』1部5章には、こう書かれている。

 生きる目的がハッキリすれば、勉強も仕事も健康管理もこのためだ、とすべての行為が意味を持ち、心から充実した人生になるでしょう。病気がつらくても、人間関係に落ち込んでも、競争に敗れても、
「大目的を果たすため、乗り越えなければ!」
と?生きる力?が湧いてくるのです。